小生は妖怪好きです。

marble10312008-12-23


妖怪に関する書物にはなんでも反応してしまうし、漫画も一応チェックします。
その後自分好みではない場合は即興味を無くす訳ですが。

少し前からお菓子のおまけの玩具。いわゆる食玩と呼ばれるものに、妖怪フィギュアがあった事は知ってました。
でもあまりピンときてなかったんですねぇ。

でね、先日舎のコピケ君から誕生日プレゼントにシークレットの菅原道真フィギュアをもらったんですが、、。

これがすげ〜〜かっこいいの!!

しかも良く調べたら荒俣先生がプロジェクトに関わったやつだった事が解り、一気に興味が爆発。

コピケ君に頼みこみ。かなりの数の同じシリーズのフィギュアをもらいうけ、更に不足している数体をリサイクルショップとか中野とか秋葉原とかに行き収集そしてコンプリート。ついでに同じ海洋堂から出してるシリーズも買い漁ってしまった笑。今現在も発売している水木しげる系のフィギュアはあまり興味が沸かなかったので、今はもうなにも収集してませんが、いやはや面白いもんですよ。フィギュアの裏に2002年って書いてあるからほんと今更なんですけどね汗。本の絵を眺めるだけでなく手に立体として触って眺める事ができるって事がこんなに良い物だとは。つーか子供が人形遊びする心理かこれ!?わははは三つ子の魂なんとやら!

どうせなんで、とことんやろうと手ごろな赤い箱を取り出しお札を貼ってそれらをしまう。


開けると、、


こんな感じ!

ついでに別シリーズは飾ってます。

で、興味がうせてしまう前に(そうならない事を祈ってますが汗)デジカメで写真残そうと撮ってPCに整理してたらですね。面白い事を思いつきまして!

はっはっは!それでは発表します。

マーブル人形劇場「机上の百鬼夜行〜第一夜〜」
はじまりまじまり〜


オープニング動画です。(追加2014年)

時は中世。ところは京。子の刻。

子の刻は陰陽の終わりと始まりとの境、世の人はこの刻を忌み、みだりに歩けば必ず死ぬと噂していた。
その時刻を「百鬼夜行の刻」と呼ぶ。

しかも今宵は陰の気が増幅されし日であった。

闇が一際濃く形を作り、一つの影が現れた。

大怨霊・菅原道真公である。
菅原道真
特に漢詩に優れた文章博士宇多天皇に重用され右大臣にまで昇った。
しかし、左大臣藤原時平に讒訴され、大宰府へ権帥として左遷されそこで没し、
為に怨霊となりて朝廷に祟りをなす。
(後に祟りを鎮めるために天神として祀られ、現在は学問の神として親しまれる)

「出でよ!!我が眷族!!今宵も京に災厄を齎すのじゃ!!」

闇は次々と形を成しあやかしどもが湧き出た。


「夜行じゃ!夜行じゃ!」「夜行じゃ!夜行じゃあ〜!」


群れの中に巨大な牛車が姿をみせた。



百鬼を束ねる王。「天狗車」である。
「わははは!菅公!今宵もお招きいただきありがたい!共に人間どもを戦慄せしめようぞ!」


「だはははは!!!さぁまいるぞ!百鬼夜行じゃ!」


百鬼夜行
説話などに登場する深夜の町を集団で徘徊する鬼や妖怪の群れ及びその行進のこと。


「ひぃいいいいい!!」
たまたま帰りが遅くなった商人が夜行に出くわした。絶体絶命。


「おお!人じゃ!人がおるぞ〜」「食うてしまえ!食うてしまえ!」
次々とあやかし達が湧き出て練り歩く。


子「わ〜おっかさん!おばけだよ!」
母「ひっ!早く家に入りなさい!!」
犬がけたたましく鳴く異変に外に出た子供を、母親が急いで連れ戻す。


よくみるとどれもこれも人間に使い古された道具や器物が変化している。


付喪神。そう、捨てられたものに付く神霊。彼らは本来人を驚かしたり化かしたりする事に喜びをおぼえる物の怪だ。


だが、子の刻の行進はそんな生やさしいものではない。出くわせば命をとられる。恐るべき行群なのだ。


「ひゃあ〜〜〜!」
異変に駆けつけた検非違使(昔の警察)も腰を抜かして逃げ出す。

「だぁ〜はははは!!内裏へまいるぞ!!」

「ぎゃぁああああ〜〜〜!!」「ひゃあああああ〜〜!」
立ち会ってしまった不運な者に死が訪れようとしたその時!!


鏡の物の怪、「妖鏡」あるいは「雲外鏡」とよばれるあやかしが叫んだ。
「む?!なにやら奇妙な気配がしますぞ!!」


「なんだと?!むぅ、、この気配、、、。陰陽師か!!?」


突如前方の闇に白い閃光が走り、青白き光を放った一人の老人が現れた。


「貴様か!?安倍晴明!!また邪魔だてするか?!」


安倍晴明
当時最先端の呪術・科学であった「天文道」や占いなどの陰陽道の技術に関して卓越した知識を持ったエキスパートであり、平安貴族たちの信頼を受けた大陰陽師で、その事跡は神秘化されて数多くの伝説的逸話を生んでいった。


「菅公、貴方が鬼どもを率いておる以上、尊勝陀羅尼の呪文ではこの百鬼夜行は回避できませぬな。だが、ここは通しませぬぞ」


「だははは!!ではどうやって止める?これだけの物の怪、貴様お得意の結界やら呪文ではもつまい?!」


「今宵はあやかしの力が増幅されている様に、我が式神十二天将の力も増幅されておるのだ。最強の四神の力を持ってこの夜行退散させてみせよう」

陰陽師は呪文を唱え印をきると周囲が光り輝き始め、その光は四方で形をとった。


「左に青龍」

「右に白虎」

「前に朱雀」

「後ろに玄武」


「四神召喚!!」
四神がそれぞれの属性である聖獣の化身となりて出現した。


「ひゃやあああああああ!!!」
あまりの迫力に失禁する商人。



泰山府君使徒安倍晴明の名において命ずる!四神!百鬼夜行を退散させよ!!」

「うぎゃあああ〜〜」
東西南北を守る最強の四神の出現に物の怪達は乱れ一斉に逃げ出した。


青龍
木の吉将、寅。十二天将の1神にして四神相応における東方の守護神。
もはやその場にいるだけで空気は振動しあやかしどもは蒸発した。



白虎
金の凶将、申。十二天将の1神にして四神相応における西方の守護神。
一咆であやかしどもの体は砕け散った。


朱雀
火の凶将、午。十二天将の1神にして四神相応における南方の守護神。
羽ばたけば炎を含んだ風を巻き起こしあやかしどもは火に包まれた。


玄武
水の凶将、子. 十二天将の1神にして四神相応における北方の守護神。
一踏みで大地は鳴動し昏倒したあやかしは尾の蛇身に飲み込まれた。

もはや戦闘どころではなかった。百鬼はみだれ我先にと逃げまどう。


百鬼の王「天狗車」も慌てふためき逃走。


あまりの慌てぶりに本来の天狗の姿をあらわにして逃走した。


「うぬぬぬ、、、おのれ!!陰陽師!!」

激怒した道真は単身四神に歩み出た。


「小賢しい式神どもめ!このわしが相手になってくれるわ!!」


「かぁあああ〜〜〜〜〜〜!!!」

凄まじいまでの雷光が走り一撃で四神の化身は消滅した。
恐るべし道真!


「だはははは!!くだらぬぞ!陰陽師!歯ごたえなし!さあどうする?わしがいる限り物の怪どもはいくらでも沸いてくるぞ。わしをどう止める?」


「流石は道真殿。学問と怨念が重りあったその魔力は何者も勝てはせぬ。貴公のような聡明で知識深い者が怨霊になってしまった事を心より悔やみますぞ。だがしかし、それでも退散するわけにはいかぬ。たしかに呪いに対して呪い(まじない)では貴公を抑える事はできぬが、呪いを祝いによって打ち消す事はできる」

そういうと安倍晴明は再び印を結び呪文を唱えた。

「きたれ!十二天将、六合!!!」

大地が震え、闇の空間に1点の光が現れたかと思うとそれは姿をとりはじめた。
なにやら強大な存在が近寄ってくる。


ゴゴゴゴゴゴゴ、、、、、。





ポンッ!!


「、、、、、、」商人は驚きを通り越して脱糞した。


「、、、、、、、、、」
菅公も絶句した。


六合(りくごう)
十二天将が一神。
木の吉将、卯。調和や信用・交流などを司る。 平和を愛し、争いを嫌う神。

「さあ、この六合の攻撃受けてみよ!」(ニヤリ)


テクテク、、。

ボテッ。


キュワ〜〜ン


汗。


むきゅ〜〜〜〜ん。


「、、、、、、、、、、、、、。」


「ふ、、ふん、、今宵はその気がそげたわ!!いまいましい陰陽師め!覚えておれ!」
道真はきびすを返すと闇に消えていった。


「ふぅ、よくやった六合。危なかったな。今回はなんとか退く事ができたが
次はそうは行くまい。なんせ目隠しでもされればお前の攻撃はまったく無効になって
しまうからな汗。それにしても恐るべし大怨霊よ。これは早めに神として奉り怒りを鎮めてもらう以外手はあるまい」

この後、都をあげて菅原道真は天神として奉られ北野天満宮が建てられる事となる。

「う〜む、百鬼は去ったというのに何故か今宵は妖気がはれぬ。まだまだ
別のあやかしどもが潜んでいるという事か?やれやれ暫くは忙しくなりそうだな」

晴明が危惧していた通り、都から少し離れた山中の闇にてこの光景を眺めている妖怪群がいた。
中央に偉そうに座る妖怪の総大将がいる。
その名をぬらりひょんという。


「ふふふ、、あれが安倍晴明か?あの菅公を退けるとはなかなかのものだが、我等はそうはいかんぞ。ふっふっふ!」

何故に平安時代に江戸時代の妖怪が?!というツッコミは無しにして、またしても都に新たな危機が迫っているのであった!


ひ〜!!疲れた泣。いつか続くかも、、?笑